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極楽浄土Ⅰ
【2016年】
浄土の六鳥
『仏説阿弥陀経』の中にはそれぞれ個性的に浄土を彩る六種の鳥がいます。
白鵠と孔雀は、視覚的な美しさによって浄土を荘厳し、鸚鵡と舎利は人語を解して仏法を奏で、迦陵頻伽は流麗な音声で三宝を荘厳し、共命之鳥はいのちの平等を体現しています。
共命之鳥(ぐみょうちょう)
共命之鳥は、六鳥の中では唯一この世には見られない鳥と言われています。その身体は、1つの胴体に2つの頭を持ち、2つの頭がそれぞれ別々の心を持っています。
どんなに顔、形が違えど、離れていても関わりないようであっても、命は繋がっていてるという事を示しており、最も象徴的に仏の心を体現しています。
迦稜頻伽(かりょうびんが)
妙音鳥ともいわれ、その鳴き声はきわめて優雅で、仏の説法の音声の流麗さが「迦稜頻伽の如し」と喩えられます。日本では音楽の神さまと同一視され、楽器を手にした人面鳥身の姿で描かれることが多くあります。
インドのある王は、迦稜頻伽を一羽、四方が鏡に囲まれた部屋に入れて飼いました。鳥は周りの鏡に映った自分の姿を見て、仲間がいると勘違いして鳴き続け、王はその声を楽しんだという話が伝わっているようです。